こんばんは。エゾマルです。
はじめて会ったゲイの彼とのはじめての夜の話し。
何度か会う内に仲良くなって、彼の家に招待された。
30歳の自分は、家に行くということはどういうことか、もちろん理解していた。
彼はイイ奴だったし、一緒にいて楽しかったし、何よりゲイの世界を教えてくれた先生みたいな存在。
彼の方も、自分のことを気に入ってくれていることはわかっていた。
ちょっと前まで女性と付き合っていたが、自分も幸せになれるのかな?
はじめて男とエッチすることに、期待と不安が入り混じった複雑な気持ちだった。
緊張しながら彼の家に行くと、彼は手料理を作って待っていた。
テレビを観ながら晩飯を食べ、いつもと同じ雰囲気のまま時が過ぎる。
食事を片づけて、リラックスタイムが来ると、いよいよそんな雰囲気に。
後ろから抱き着かれ、耳元で「来てくれてありがとう」と言われた。
背中で感じる彼の体温がすごく心地よかった。
「泊まっていくっしょ?」に同意して、一緒に布団を敷いた。
男同士でイチャイチャするのは、基本的に楽しい。
だんだん近づく心と体の距離感に、変に高揚感を覚える。
抱き合って、キス。
そして彼の手が、下半身に触れてくる。
彼の頭が布団の中に潜り込み、ズボンとパンツを一緒に下ろされ、はじめて男に咥えられた。
それはそれは、すごく変な気分になった。
気持ちいいけど、それ以上に緊張した。
完全に立ってはいるけど、全然イケない。
彼が諦めて「俺の咥えられる?」と聞いてきた。
はじめは無理かと思ったけど、彼が一生懸命にしてくれたのに応えたかった。
頑張って舐めてみた。
そこまでいったら、もうどうってことはなくなった。
一生懸命してあげてたとき「俺、穴は興味ないから」と彼がぼそっと言った。
そのとき、自分は入れたいのか、入れられたいのか、考えたことがなかったことに気づいた。
まぁ、今は相手が興味ないと言っているので、考えることもないかと思った。
お互いにイカせ合ったとき、一線を越えたように感じた。
ティッシュでお互いのを拭き合いながら、「俺らって、これから付き合っていくんだよね?」と何気なく聞いた。
彼はビックリしたように「え?付き合うとか、縛られるのは嫌だから…」と言われた。
「そっか…」自分は急激に冷めて行くのを感じた。
しばらくして、彼の寝息が聞こえてきたら、なんか涙が出てきた。
親に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
望んでいた幸せは、ここにはなかった。
あまり眠れないまま朝になり、顔では笑いながら彼の家を後にした。
その後も彼とは友達関係を続け、何度も家に誘われたが「俺、友達とはエッチしないから」と笑って答えた。
このときに、自分のゲイとしての生き方の1つが構築された。
ゲイにもいろんな考え方があり、いろんなスタイルで生きていることを知った。
自分に合うスタイルを1つずつ確認しなければと思った、そんな1日の思い出。
1つ1つの出来事が、今の自分の形を作り上げているんだなぁと、しみじみ思います(笑)
それでは、また!