こんにちは。エゾマルです。
今でこそ「自分がゲイであることは普通」って言いきっていますが、こう思えるようになるには、実はけっこう時間がかかりました。
自分は背が低く細いのがすごくコンプレックスで、反対に背が高くがっちりした大きい人が好きなんだけど、そんな人が気になると「これは単なる憧れ」と思って気持ちを封印していた。
そしてそのたびに、学生の頃は自分にすごく言い訳をしていた。
だって、男なのに男が気になるなんておかしいじゃん。
生物は種を残す義務があるのに、男同士じゃ子どももできないし、生物として欠陥があるってことでしょ?
大体、孫を見せられないとか息子として親不孝すぎるだろう?
まだ女の良さも知らないから、自分にないものを持っている男が気になるだけ。
これって、ただの憧れだよね?
…ってな具合。
男子って肩を組んだり、じゃれあったり、意外とスキンシップ多いと思うんだけど、気になる奴とふざけあっているとなんでか勃起しちゃったり、それがめちゃくちゃ恥ずかしくて「触んなや!」なんてちょっとムキになって怒ったりしていたっけ。
否定する思考とは逆に、体は正直に反応してしまうアンバランスさ。
気持ちは、嬉しいし、楽しいのにね。
そんなタイミングで、もともと友達だった女の子から告白されて付き合うことに。
恋愛感情はまったくなかったけど、付き合っていくうちに好きになるかもと期待した。
実際は残念なことに、電話しなくちゃいけない、デートしなくちゃいけない、手をつながなくちゃいけない…など、義務感に支配されてまったく楽しくなかった。
その結果思ったのが、男同士でつるんでいた方が100倍楽しい。ということ。
それでもまだ自分の気持ちを否定しながら、その後も何人かの女の子と付き合ってみた。
そして、キスやエッチがいつも最大の壁。
ぜんぜんキスしたくないし、むしろ性欲を出してくる女に恐怖すら感じた。
その都度悩むわけです。
結婚したい、子ども欲しい、幸せに暮らしたい。
そしてやっと気づいたのです。
種の義務とか、親のこととかじゃない。
自分が幸せになりたいんだってことに。
自分が幸せと感じない相手と一緒になっても、相手にも失礼だし、相手を幸せにできるはずもない。
自分は女の子とじゃ幸せになれないんだって。
そう気づいた日から、ゲイとして生きようと決めました。
それは30歳のときのこと。
長いこと悩んだなぁと思います。
決めたら一気に世界が広がっていきました。
知らなかったゲイの世界。
この世界にずっとあったのに、ただ知らなかっただけの世界。
孤独だと思っていたけど、たくさんの仲間がいることを知りました。
息ができる。そんな感覚。
自分をゲイと認めることで、すごく楽になったのを今でも覚えています。
こうして、やっと普通になりました。
それでは、また!